木曜日

「てゆーか、メール私語」-オトナが知らない机の下のコミュニケーション

これからケータイを持たせようと考えている親御さん、
学校の先生、卒論にコミュニケーション、ケータイを
選んだ学生さんに読んでいただきたい一冊。


『てゆーか、メール私語』
オトナが知らない机の下のケータイ・コミュニケーション-
松下慶太著 定価1500円+税・四六判・並製・208頁













内容

一章では、高校生たちのメール・コミュニケーションの実態を
できるだけありのままに描きだし、「メール文化」を見ていく。

二章では、学校における情報化、情報教育と、高校生たちが
メールをやり取りしている学校・教室という時空間そのものが
どのように構成されてきたのかを歴史的に振り替えり、
学校・教室におけるコミュニケーション空間の変容を示す。

三章では、学校から社会全体へと広げ、若者たちのケータイ・
メール文化について分析を加え、大人たちが持つ
コミュニケーション観との摩擦を示していく。

四章では、こうしたケータイ・メール文化が日本に特有の現象
であるのかを示すために、北欧の状況を中心に、海外の事情を
紹介する。

五章では、近年、取り上げられるいじめなどの社会問題と
ケータイ・メール文化がどのような方向に進んでいくのかについて、
見解を示す。

著者紹介
1977年生まれ。京都大学文学部卒業。
フィンランド・タンペレ大学ハイパーメディアラボラトリー研究員を経て
2007年、目白大学外国語学部専任講師(情報研究室所属)
2008年、実践女子大学人間社会学部専任講師。
2009年、京都大学大学院文学研究科博士号取得。


目次

第一章 メール私語の実態

教室の中の見えないコミュニケーション
 ・メール私語とは?
 ・デジタル・ネイティヴVSデジタル難民
 ・デジタル・ミドルへの期待
 ・ケータイが忌避される場所
 ・教育的には・・・
 ・高校生のメール事情
実際はどんなやり取りが・・・
 ・調査の概要
 ・相対的なマナー意識
 ・逃避型と必要型
 ・顔文字と絵文字
 ・状況の同時進行
メール文化の醸成
 ・即レス
 ・メール私語のハラハラ感と自己顕示欲
 ・そしてメール私語は続く・・・

第二章 学校におけるコミュニケーション

学校の「情報化狂騒曲」
 ・「教育の情報化」って?
 ・デジタル難民たちのメディア・ラッダイト運動?
 ・「教育の情報化」の二つの要因
 ・教科「情報」って?
 ・教科「情報」の問題点
 ・「情報化狂騒曲」の行方
 ・デジタル時代の教育
教室の時空間
 ・教室のイメージ
 ・近代的な教室
 ・寺子屋
 ・近代教育の時空間
 ・相対化された教室

第三章 オトナから見たメール・コミュニケーション

オトナのコミュニケーション観
 ・「まとも」なコミュニケーション
 ・公共心とケータイ
 ・ノンバーバル・コミュニケーション
やっぱり、けしからん?
 ・母は強し!?
 ・平安貴族風?

第四章 世界のメール・コミュニケーション

北欧から見る情報化社会
 ・日本だけが情報化社会じゃない
 ・世界的にも進んでいる北欧の情報化
 ・無口なフィンランド人とケータイ
 ・正解で一番売れているケータイ、ノキアのお膝元
 ・どんなケータイ使っているの?
 ・ケータイ研究も盛ん
フィンランドの若者事情
 ・基本的にはまじめちゃん?
 ・語学の達人
 ・cu 2morrow@9
学校でのメール私語
 ・基本的には禁止だけど・・・
 ・ノルウェーの場合
 ・TVチャットって?
 ・日本からも発信を

第五章 で、未来はどうなるの?

「あいまい・共感社会」の到来
 ・若者たちの「あいまい語」
 ・プチ家出
 ・共感したい・共感されたい
関係性の価値
 ・SNS・ブログの流行
 ・「つながり」の研究
 ・匿名文化から特定社会へ
つながることの可視化
 ・アドレス帳というツール
 ・シマウマな心理
 ・「つながり」への欲求
 ・「つながり」の強要
 ・「つながり」からの逃走、職場でも・・・
電子的引きこもりのススメ
 ・引きこもってみてはいかが?
 ・「電子的ひきこもり」って?
 ・あなたの「電子的引きこもり」度は?
ケータイ文化はどこへ行く?
 ・気体化するケータイ
 ・気体化するコミュニケーション
 ・少しだけ先の未来
 ・ケータイ文化のコンセンサスを目指して

主要参考文献

あとがき


ケータイが当たり前の世代のコミュニケーション
は、あきらかにケータイがなかった時代の世代と
変わっている。
しかし、デジタル・ミドルである著者世代は、
ケータイを使いこなしつつ、ケータイがない時代の
コミュニケーションも身に着けていたことで、
大人と子供もつなげつつ、次世代のコミュニケーション観
を身につけつつ、もっと深い温かいコミュニケーションを
伝える役目があるのではないかと思う。
(30代子持ちの男性の感想)


 

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