電子書籍元年と言われ、出版業界も久々に活気づいていますが、大手も中小の出版社もどうやって収益に結びつけることができるのかに、頭を悩ませているのが現状と言えます。
村上春樹さんなどのビッグネームであれば、もちろん電子書籍で一番売れることは間違いないかと思いますが、電子書籍は基本的に紙の本より安いと消費者に認識されています。
あえて、電子書籍で出すメリットはなく、逆にあらゆる著者が出版社を介さずに出版できるということが、出版社にとっては一番恐れることでもあります。
しかし、電子書籍あるいはインタ‐ネットという世界はいろいろな面でルールが整備されておらず、安易に出版できることが逆に不幸な結果につながることも認識しなければなりません。
ビジネスの面では、インターネットのおかげで書籍の情報に触れる機会が拡大し、iphone,ipadなどが普及することでビジネスチャンスが格段に広がったといえます。
チャンス到来とばかりに、電子に乗り込んだ書籍でしたが、その世界は想像以上に甘い世界ではありませんでした。
ケータイの無料ゲーム、iphone,ipadの無料アプリ、暇をつぶすにはもってこいの無限に広がる楽しい世界がほとんど無料あるいは書籍の1/3の値段で提供されているのでした。
iphone,ipadのアプリなどは、クオリティーの高さに驚くとともに、日本のケータイとは違って、世界中からさまざまなアプリが提供され続けているのです。
iphone,ipad,の登場はさぞWEB、IT関連の会社も活況を呈してると思い、その勢いで一緒にiphoneで電子書籍を作ってみようと思い立ち、希望を抱いてWEB関連の知人に話を聞いてみたところ、
一言、
「iphone,ipadは儲からないからやらない」
「儲かるのは、やっぱり日本のケータイゲーム、『●盗●●●』は一日1億円稼いでる、しかも、制作側から言わせると簡単な作りだよ。まさにアイデアだけ。」
1日1億円とうい言葉にも驚かれましたが、なんとも複雑な感情を持ちました。
グローバルな世界にいる人たちが、より現実的に考えていること。
いや、IT、WEBの世界だからと言って、決してグローバルなビジネスだけを考えているわけではないこと。
当たり前のことが、電子書籍という熱で見えなくなっていた自分。
私のようなiphoneユーザーは、その世界に魅了されつつ、この世界に泳ぎだしたいと思っている
ことがいかに甘い世界なのかを認識させられました。
改めて、読書とは、本とは何かを見つめなおして考えてみる、いいきっかけとなりました。
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